部屋探しのための基礎知識
部屋探しの前に予算と希望を整理しよう!
部屋探し。あんな家に住みたい、こんな家に住みたい・・色々夢が膨らみますよね。 100%理想の部屋はなかなか見つかりません。 かといって、自分の希望とかけ離れた部屋だと、新生活の楽しさも半減。 後悔しないための部屋探しのステップを見ていきましょう!希望条件を整理!
まずは自分の希望をピックアップしてみましょう。 部屋の広さや住環境のほか、バス・トイレ別・駐車場付・オートロック・ペット可など自分のライフスタイルを考慮し、挙げていきましょう。希望条件に優先順位をつける!
自分の希望をピックアップしたものの、その希望を100%満たす物件はなかなか見つからないもの。 「どうしても譲れない条件」と「譲ってもいい条件」を決め、優先順位をつけましょう。予算を決める!
自分が支払える家賃の目安をつけましょう。 一般的に家賃は「管理費・共益費を含め毎月の手取り収入の30%以下」といわれています。 例えば、給料手取り18万円の人は5万4千円、手取り24万円の人は7万2千円が30%です。 その上で「趣味にお金をかけたい」など自分のライフスタイルを考慮し家賃の上限を決めましょう。家賃は確実な収入をベースに
残業代やボーナスなど、金額が変わる可能性があるものや不確定なものは家賃予算に含まないようにしましょう。家賃の相場を調べよう!
予算と優先順位を決めたら次は「家賃相場」を調べましょう。 都心から近い、駅から近い、築年数や部屋の設備が新しいなど、これらは家賃相場が高くなる一因です。 逆に駅から多少離れたり、築年数が古くなってくると家賃相場は低くなります。 自分の支払える家賃と希望する地域の家賃相場を比べ、相場が高ければ条件を緩めるか、ほかの地域で探すのが得策です。不動産会社の繁忙期と閑散期を知っておこう!
繁忙期…1月~4月、9月~10月。出て行く人が多い分空き物件も多いが、家賃相場は高くなる傾向に。 閑散期…夏。部件数は繁忙期に比べ少ないが、家賃相場が下がることもある。具体的な賃貸情報の集め方
いよいよ物件探し!その方法は?
インターネットで情報収集
パソコンやスマートフォンで手軽に情報を集められ、間取り図や写真が豊富なので部屋をイメージしやすいです。また、希望条件で検索できるというメリットもあります。 不動産会社の物件情報サイトは、自社で取り扱っている物件を中心に紹介しているので、仲介手数料無料の物件も数多くあります。 一方、不動産情報の総合サイトはいくつかの不動産会社の物件を一度に検索して比較することができます。賃貸情報誌
通勤中の電車や昼休みなどどこでも物件を探すことができ、気に入った物件に印をつけられます。 ネット上には掲載していない物件も情報誌に掲載していることもある反面、不動産会社から情報を受け取って情報誌が発行されるまで時間がかかるので、 「連絡したらすでにほかの人が契約していた…」という事もあります。掘り出し物の物件も要チェック!
不動産会社には「消費者向け情報」と「不動産業界内情報」があり、後者は他の不動産会社に対して公開している情報で 直接私たちが目にする機会は少ないですが、不動産会社にいけば見せてもらうことができます。 もしかしたら掘り出し物の物件が見つかるかもしれませんよ。現地見学
部屋探しも大詰め!実際に部屋を見る!
気になる物件が見つかったら不動産会社に行ってみましょう。 行く前に電話やメールでアポイントメントを取っておくとスムーズです。 下見では、サイトや情報誌を見ただけではわからない事を、しっかりと確認しましょう!下見に持っていくと便利なもの
- 筆記用具
- メジャー
- 方位磁針(スマートフォンで代用可)
- カメラ(スマートフォンで代用可)
- 間取り図
- 懐中電灯
- ビー玉
下見のチェックポイント
どんなところを気をつけたらいいかまとめました。室内
- 日当たり
- 部屋の広さ
- におい・騒音・振動
- 窓からの眺め(目の前に建物がないか、外から室内が見えないか)
- 収納の数・広さ
- 内装の汚れ・傷(壁・床・天井・ドア・窓)
- 建具の動作
- 水まわりの設備(可能であれば水圧チェック)
- 玄関まわり(鍵の種類・靴箱の有無)
- 冷蔵庫・洗濯機置き場
- コンセントの位置・数
- 照明・エアコン・コンロ・インターホンなど設備の有無 (付属の設備なのかどうかを確認。前の入居者が置いていったものだと故障時に修理が自己負担になることも)
- 携帯電話の電波状況
- 洗濯機置き場(室内に無く、室外の場合も)
- ベランダの有無(ある場合は洗濯物が干せるか)
敷地内
- ごみステーションの位置(ごみ出しのマナーがキチンとしているか)
- 共用部分の管理状況(清掃が行き届いているか)
- 郵便受け・宅配BOXの有無
- 駐車場・駐輪場の有無(屋根があるか、高さは十分か)
- オートロックか否か
- 建物前の道路の広さ(引越しの見積時に聞かれることがあります)
周辺
- 最寄り駅からの距離・夜の暗さと人通り
- スーパー・コンビニ・病院などの周辺施設
- 交通の便
- 治安
入居の申込
希望の物件が見つかったら次のステップは申込み!
入居申し込みは「契約」ではない! 物件を下見して気に入った場合、まず不動産会社の所定の申込書に必要事項を記入して提出します。 この申込書の内容は不動産会社によって異なりますが、一般的に本人の住所・氏名・年齢・勤務先・年収・勤続年数などを記入します。 不動産会社によっては連帯保証人の住所や勤務先情報も必要になる場合があるので、事前の準備が必要です。ここで重要!
入居申込書はあくまで入居する意思を確認するための書類であって、賃貸借契約書ではありません!入居審査で落ちることもある!
家主が申込書などの書類に基づき、家賃支払に支障が出ないかを審査します。 審査の結果、契約を結ばないケースもあります。預かり金の支払い
申込書を提出する際、預かり金を支払う事があります。 これはあくまで「預けているお金」なので返金されますが、念のため「預り証」をもらいましょう。 なお、不動産会社が預かり金の返還を拒否することは宅地建物取引業法で禁止されています。 「預かり金」は申込金・手付金・内金・予約金などさまざまな名称で呼ばれますが、全て「預かり金」と見なされます。ここで重要!
金銭を預けた場合でも「借りたい」という意思表示を行ったに過ぎず、契約を約束したわけではありません! 契約が成立しなかった場合やキャンセルした場合は返還され、契約が成立した場合には、その後に支払う契約金の一部に充てることが多いようです。賃貸契約
待ちに待った契約です!何が必要?
無事審査が通り、いざ契約!でもその前に色々と準備をしておかなければいけない書類や費用があります。 契約直前になって慌てることの無いよう何が必要かを不動産会社に確認し、事前に準備をしておきましょう。契約までに用意する書類
- 本人の住民票(同居する家族がいる場合は家族の分も必要になることも)
- 本人の印鑑と印鑑証明書
- 収入を証明するもの(源泉徴収表の確定申告書のコピー、直近数か月分の給与明細など)
- 連帯保証人の同意書(保証人の所得証明・住民票・印鑑証明書が必要な場合もあります。)
契約時に必要な費用と金額の目安
敷金
家賃の1~3ヶ月分。 最初に預けるお金。原則、退去時に返却されるが家賃滞納や入居者負担で修繕が必要な場合は返却されない事も。礼金
家賃の0~2か月分家主に対して支払う謝礼金。退去時に返却されない。最近では礼金無しの物件も増えてきています。仲介手数料
最大で家賃の1か月分。 不動産会社に支払うお金。不動産会社所有の物件だと仲介手数料不要の場合も前家賃
家賃と管理費の1か月分程度。(月途中の入居の場合は日割りした金額)火災保険料
1万円~2万円最近よく聞く「フリーレント物件」って?
入居後の1ヶ月~3ヶ月程度の家賃が無料になる物件のこと。 なぜ、そんなことができるのかというと、一言でいうと「早く空室を埋めたいから。」 長期間空室が続くと家主にとっても損ですよね。 かといって、毎月の家賃を下げると他の入居者のクレームにつながります。 家主にとっては空室の期間が長くなるより、一定期間の家賃を無料にして契約してもらったほうがいいし、毎月の家賃を下げるよりも損害が少なくなります。 借りるほうも初期費用が少なくなると何かとたすかりますし、貸す側・借りる側両方にメリットがあります。 ただし、無料の期間だけ住んですぐに違うフリーレント物件に引っ越すことができないよう、 一定期間以上住むことが条件になります。 一定期間内の解約に対して違約金が発生したり、フリーレント期間分の賃料を請求する旨の条項が契約書に盛り込まれているため、しっかりと確認が必要です。 また、家賃が無料でも、管理費や共益費は必要という場合もありますので、こちらも確認しましょう。「ゼロゼロ物件」は初期費用以外の費用の確認を
敷金礼金なしのいわゆる「ゼロゼロ物件」。 初期費用は大幅に軽減されますが、実は家賃に上乗せされていたり、退去時に部屋の修理代やクリーニング代を請求されたりということがあります。 退去時の支払は特にトラブルになりやすいため、借りる際はしっかりと確認・吟味が必要です。重要事項説明
契約時特に重要な部分をしっかりと確認しよう!
契約前に不動産会社から重要事項説明を受けます。 これは、宅地建物取引業法で定められていて、仲介を行う不動産会社は入居予定者に物件や契約条件に関する重要事項説明の書面を発行して説明しなければなりません。 ただ、文字数も多く聞きなれない不動産用語についつい面倒になりがち。 しかし確認を怠るとトラブルの元になります。 トラブルを防ぐためにもここでは、最低限チェックが必要なものを挙げていきます。- 設備(電気・ガス・水道・台所・トイレ・浴室など)の確認と補修費用の負担
- 家賃の支払方法と更新手数料
いつから家賃が発生するか、家賃や管理費などの内訳。聞いていない費用はないか。
- トラブルがあった時どこに連絡したらいいか
- 退去予告の期限
退去の何ヶ月前に告げなければならないか
- 契約終了時の清算方法
- 禁止事項
ペット不可・ルームシェア不可・楽器の使用不可など
- その他特約
通常の契約以外に特別に設けられた約束事がある場合があります。 よくあるものとして、部屋のクリーニング代(次項で詳しく説明)・畳表替え費用・カーペット貼替費用・短期間解約違約金など。 中には冬期間に退去すると違約金を支払うという特約もあります。
一番トラブルになりやすい敷金に関する特約
入居者は退去時に原状回復が義務付けられています。 この「原状回復」とは「借りた当時の状態に戻す」ことではありません。 国土交通省のガイドラインによると、 経年変化・通常の使用による損耗・キズなどの復旧は貸主(家主・大家)が行うのが原則で、その費用も貸主負担 としています。 例えば・・・- 壁に貼ったカレンダーやポスターのあと
- 家具によるカーペットのへこみ
- 日照による畳やクロスの変色
- タバコの焼け焦げ
- 引越しや家具移動で生じた引っかきキズ
- 結露を放置したため広がった汚れやキズ
法律ではこれまで敷金について何も定められていませんでしたが、 2017年5月に民法改正の法案が成立し敷金と原状回復のルールが明文化されました。(施工は未定)。 これにより、法律で敷金の定義とルールが明確になります。