親や家族に万が一のことがあり、不動産を相続することになったらどうすればよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。
相続した不動産を使う予定がなく、そのまま使用しないで放置していたら次のデメリットがあります。
不動産を放置するデメリット
- 資産価値の低下
人が住まなくなった建物は、住んでいる建物に比べて劣化が早いといわれています。
室内の空気が動かなくなると梅雨時などは湿気がこもる確率が高くなり当然カビも繁殖します。木造住宅では特にカビや湿気に弱いので劣化の原因となるのです。 - 毎年の固定資産税
固定資産税とは不動産に対して支払う税金で、毎年1月1日時点での所有者に課税されます。毎年無駄な出費になります。 - 維持管理が手間
庭木や雑草が伸びた場合の手入れや冬の期間の除雪など遠方に住んでいる場合、頻繁に行くにも費用と時間がかかります。
また、業者にお願いする場合には費用が掛かります。
2015年5月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」(通称:空き家等対策特別措置法)という法律が施工されています。
適切な管理が行われていない空き家などの防災・衛生・景観などの問題が、全国で注目されています。
どうしても空き家にしておかなきゃいけないご事情がある場合は
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不動産を相続した場合、どのようにしたらよいのか?
では、不動産を相続した場合、どのようにしたらよいのでしょうか。
大きく分けて不動産を売却して現金化してしまうか、もしくは人に貸して家賃収入を得るのか。
人に貸す場合、上手く貸すことができれば家賃収入を得ることが出来ますが、給湯器が壊れたり、雨漏りがしたりと古い物件ですと費用ばかり掛かってしまうことがあります。結局、人に貸したが、コストばかりでマイナスになってしまうということも少なくありません。
相続した不動産に活用法がないという方は、まずは売却を検討しましょう。
相続の中でも財産価値が高いものが不動産ですので、取り扱いが難しいものです。
ここでは相続不動産の売却について詳しく解説していきたいと思います。
不動産売却の流れ
|1.相続登記→ 2.売却相談・査定依頼→ 3.不動産会社の選定・媒介契約→ 4.所有権移転登記→ 5.売却代金を分配|
1.相続登記
不動産を相続した場合、まずは不動産の相続人を決めます。
不動産を遺産を分割するには、4つの方法があります。
A.現物分割
不動産をそのまま相続人の一人が取得する方法です。
手続きが簡単でわかりやすいメリットがありますが特定の相続人だけが不動産を相続することになるため、相続人が納得しにくいデメリットがあります。
B.代償分割
不動産を1人が取得するが、他の相続人に対し相応の金額を支払う方法です。
公平に遺産分割できるメリットがありますが、相続人に相応の資金力がないと利用できません。
C.共有
不動産を相続人で共有する方法です。
公平に遺産分割できるメリットがありますが管理や処分の方法について揉めるケースがあります。
D.換価分割
不動産を売却し、売却代金を相続人で分割する方法です。
公平に分割出来、不動産維持管理が不要になります。
売却を前提に不動産を相続する場合は換価分割を選ぶことをおすすめしています。
平等に分配が出来て、スムーズに売却手続きが進められます。
遺産分割協議書
遺産分割協議書とは、相続人同士が遺産分割協議をして合意ができた結果をまとめた書面のことです。
不動産を分割する方法が決まれば、「遺産分割協議書」に相続人全員の署名捺印を行います。
のちのトラブルを防止するために証拠書面に残します。
相続登記の申請
遺産分割協議書の作成が終わりましたら、遺産分割協議書の内容をもとに不動産の登記を行います。
登記申請は自分で行うことも可能ですが、必要書類が多く、自分で手続きするのが難しいため司法書士に手続きを依頼することをおすすめします。費用は数万円です。
2.売却相談・査定依頼
ここからは一般的な売却の流れになります。
売却するためには、信頼できる不動産会社との出会いが大切です。
まずは、不動産会社の情報を幅広く収集しましょう。
いくらで売れそうかを知るため、不動産会社に査定を依頼します。
査定は周辺の類似物件の売買事例や立地条件や建物の状態など、さまざまな角度から調査し適正な価格を算出します。査定依頼は無料のケースが多いです。
また、不動産会社へ買取もしてもらうことが出来ます。
金額が安くなりますが、期間が短くなり時間がない方やすぐに現金化したい方はおすすめの方法です。
3.不動産会社の選定・媒介契約
査定金額から売却価格が決まりましたら、次は信頼できる不動産会社と媒介契約を締結します。
不動産会社とは、3種類の契約方法から選び契約します。
「一般媒介契約」
複数の不動産業者に重ねて仲介を依頼することができる契約です。業者は指定流通機構(REINS)への物件登録や業務処理状況の報告義務を負いません。また、ご売却条件の変更や売主様からのご連絡は、ご依頼された業者全てに行って頂く必要がございます。
「専任媒介契約」「専属専任契約」
他の不動産業者に重ねて依頼することができない契約です。
とはいっても、不動産業者の指定流通機構(REINS)への登録により情報が公開されるため、他の不動産仲介業者も、ご購入希望のお客様への物件紹介が可能となります。
基本的に、専属専任媒介契約・専任媒介契約を一度結ぶと3ヶ月間まで有効になります。
積極的に捜す努力とその業務処理状況をご報告する義務が発生します。
それぞれの契約方法にはメリットとデメリットがあるので物件の状況や売却期間なども考慮して契約しましょう。
不動産業者の変更をする際、契約内容しだいで違約金が発生する場合があるので契約内容の確認は大切です。
4.所有権移転登記
購入希望者を見つけることができれば、売主様・買主様双方の条件確認および調整の上売買契約を締結します。
物件の引渡しまでに売主様は遺品整理・測量・残置物撤去・建物解体等をします。
1か月くらいの期間でやらなければならないことがたくさんあります。
遺品の整理業者様もいるのでそちらの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
最後に残代金の受領とともに所有権移転登記の手続きや各精算が終わればようやく物件の引渡しです。必要書類をご用意いただくタイミングやスケジュール調整等、不動産会社に確認し準備して臨みましょう。
5.売却代金を分配
換価分割の場合、売買代金を買主から受け取ったら作成した遺産分割協議書に基づき各相続人へ分配します。
高額のお金を預かることになりますので、領収書をまとめて明確にしておき、経費(仲介手数料・遺品整理・測量・解体費用など)がいくらかかったのか計算して、売却代金の分配をしてください。
親や家族が最後に残してくれた大きな資産が不動産です。
しかし、相続は実に複雑で問題になることもたくさんあります。
専門家に相談して適切に進めていくようにしましょう。
当社、不動産売却はもちろん遺産整理や相続不動産の名義変更など専門家と協力しながら相続不動産の問題を解決しています。是非、ご相談ください。