無断駐車

駐車禁止イメージ

→空き家の無断駐車を法律で取り締まることはできる?
無断駐車されている空き家の敷地は、公道ではなく私有地です。
私有地では道路交通法が適用されないため、警察は空き家に対する無断駐車を駐車違反で取り締まることができません。

違反車両防止の対策

違反車両防止の対策の例をご紹介します。

・侵入できないようにする
所有地に車が入れないようにカラーコーンを立てたり、敷地をチェーンで囲ったりします。

・駐車できないことを明示する
所有地に駐車禁止を促す看板などを立てます。
「無断駐車は警察に通報します」などの文言を入れ、空き家の敷地に掲示すれば抑止効果を期待できます。
空き家が私有地である以上すぐ罰してもらうことはできませんが、通報されてまで駐車しようとする人は少ないでしょう。

また、「防犯カメラで録画中」などの文言を掲げて実際にカメラを設置し、証拠を残しておくこともあります。
カメラの設置費用は費用がかかりますが、ダミーのカメラでもそれなりの効果を発揮しますので、より効果を高めたい人は設置するのも良いでしょう。

空き家の無断駐車を法律で取り締まることは手間が多く、単純に警察への通報だけで迅速に解決へと進んでいかないのが現状です。


お困りごとがありましたら、空き家アシストまで是非ご相談ください。


地震対策

地震のイメージ

ほとんどの空き家は、誰も適切に管理をせず荒れ放題となっています。
そのため、基礎や柱・壁・天井など家屋を支える重要な構造の強度が弱まり、強い揺れが発生すると倒壊してしまう危険性が高いのです。

家屋が倒壊するということは、近隣に住む人たちに被害を与えてしまう可能性もあるということです。
最悪の場合は、近隣の人の命を危険にさらしてしまうかもしれません。
また被害は人だけに限らず近隣の家や車など、大切な資産に及んでしまうことだって考えられます。
では、そういった危険性を少しでも低くするには、どのようにすればよいのでしょうか。

適切な管理を行う

一番の方法は、やはり適切な管理を行うことです。
家は人が住んでいないと傷むスピードがとても早く、その分構造も弱くなりやすいです。
最低でも月に1回など、定期的に訪れて管理を行いましょう。

耐震診断を受ける・耐震補強工事を行う

適切な管理に加えて、プロに耐震診断をしてもらうことも重要です。
診断の結果、修繕や補強が必要な箇所があれば早めに工事を行いましょう。


空き家アシストでは、空き家管理はもちろんのこと耐震診断・耐震補強工事などを承る会社を紹介できます。
お困りの人は、ぜひご活用・ご相談ください!


実家処分

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実家の処分で悩む方が増えている原因

空き家となった実家の処分に悩むケースとしては、以下の理由が挙げられます。

  • ・思い出がある実家を処分することにためらいがある。
  • ・売却活動が面倒くさい
  • ・解体費用がかかる。
  • ・築年数が古く、売却してもほとんどお金にならない。

このような理由から、なかなか処分に踏み切れない方も少なくありません。
遺品を整理していると、アルバムや手紙・本など、親が大切にしていた物を手にして元気だった頃を思い出し、なかなか整理が進まない方は多くいらっしゃいます。

けれども住む人がいない実家を処分せずに空き家として所有し続ける場合は問題が生じます。
適切な管理がされない空き家は傷みが進み、やがて廃屋となります。
それを防ぐためには、通風・通水・庭の雑草除去や木の剪定などを定期的にメンテナンスしなくてはいけません。
そのためには交通費やメンテナンス費用などの負担が必要です。
さらに、実家のある自治体へ納める固定資産税や都市計画税などの税金や、メンテナンスに必要なライフライン代などの費用も大きな負担となります。

実家の処分に関する悩みを少しでも減らすには

多くの問題が潜む実家の処分について、少しでも相続した方の負担を軽減するためには、やはり親御さんが元気なうちに話し合っておくことが大切です。

  • ・親が亡くなった後の実家には誰かが住むのか。
  • ・誰も住まない場合は賃貸に出すのか、売却するのか、家屋を解体するのか。
  • ・空き家として所有する場合、誰が相続するのか。
  • ・管理方法や各種税金・ライフラインなどの費用の支払いはどうするのか。

思い出が詰まった大切な実家を処分することは、気持ちの面でも金銭的な面でもなかなか決断することが難しいものです。

それだけ大切な実家の処分で後悔することがないように、親が元気なうちにできることを少しずつ進めていきましょう。

遺品整理

遺品整理のイメージ

不用品の整理には頭を悩ませます。
たくさんの物で溢れており、思い出も詰まっているため片付けが進みにくいものです。
しかし、処分のタイミングを逃してしまうと、いつの間にかゴミ屋敷となってしまい、重大な問題を引き起こしてしまうかもしれません。

遺品や不用品はどのように整理すればよいのでしょうか?

1.自力で整理する

自力で整理する場合、ゴミは自治体のルールに従って不用品を回収または持ち込む必要があります。
買い取りが期待できそうな不用品については、リサイクルショップやインターネットなどを通して処分することもできます。

自力で片付けるには、自分ですべての段取りを組まねばならず、仕分けや運搬などの作業にも手がかかりますが、処分費用は抑えられるでしょう。

2.業者に依頼する

業者に依頼する際、所有者の作業は依頼先選びがメインです。
粗大ゴミやリサイクル家電の運搬の必要はなく、ゴミの回収品目も気にしなくて済みます。
費用は割高になりますが、その分大きな手間や時間をかけずに空き家の片付けを進められます。

業者に依頼して整理することのメリット・デメリット

業者へ依頼する際のメリットは、作業スピードの速さです。
依頼内容にもよりますが、分別作業から全ておまかせできるため、自力で片付けるよりはるかに早く作業が進みます。

一方でデメリットは、やはり費用が割高になる点でしょう。

自力で整理することのメリット・デメリット

自力整理のメリットは、先に述べたように費用を抑えられることでしょう。
一方でデメリットは、不用品の分別をきちんとしなければゴミを回収してもらえず、手間がかかることです。
自治体・リサイクル家電回収・買い取りなど、複数の処分先へ不用品の回収対応を依頼しなくてはなりません。
また、自治体の回収は日程が指定されているので、自分のペースで片付けを進めにくいです。


※空き家整理で押さえておきたい注意点
費用対効果を考えると、空き家整理にはプロの力を借りる方が、効率よく不用品を片付けられそうです。
自力で作業するにしても、リサイクル家電や買い取りを希望する段階で、どこかに依頼しなくてはなりません。

空き家アシストでは、遺品整理や不用品回収をしている業者と提携しております。

「空き家の遺品整理や不要品処分をお願いしたいけど、どこの業者が良いのか分からない」という人は、空き家アシストに是非ご相談ください!


犯罪に加担してしまうかも?

長い間誰も住んでおらず、貴重品等を置いていない場合は、「防犯対策って必要なの?」と思うかもかもしれません。

何も盗まれる物がなければ、防犯対策はいらないと思うかも知れませんがそれでも人が住んでいる家と同じように、防犯対策を行うことが重要なのです!
例えば、庭の手入れがなされていない、除雪が全くされていない家を見て人が住んでいると思うことはありません。
人目が遠ざかる家は不審者にとっての隠れ場所になってしまうのです。
最近の例でいえば、違法薬物の取引場所、偽造カード等の送付先としての悪用があります。
知らないうちにあなたも犯罪に加担しているかもしれません。

防犯対策として玄関や窓を侵入しにくいタイプに変えることです。
玄関の鍵はピッキングがしにくいディンプルキーや、開錠に時間がかかるダブルロックなどに変える。
そして窓ガラスには、防犯性が認められているCPマークが付いているものにする。
侵入しやすそうな場所にセンサー式のライトを設置したり、足音がしやすい砂利を敷き詰めたり、できる限りの防犯対策を行うことが必要です。
このような防犯対策は、家を丸ごとリフォームするのとは異なり予算もそんなにかからないので低コストで対策したい人も選びやすいはずです。

防犯対策には、侵入経路対策も重要ですが、それと同じくらい有効な方法が『誰かに見られている』です。
不審者にとって、誰かに見られることは一番都合が悪いことです。
日頃からご近所付き合いがあり、挨拶を交わすことが多いような地域なら、不審者がいるとすぐに判ります。
空き家を持っている人は定期的に訪ねて、怪しいところがないか確認しましょう。
また、空き家近くに親戚や友人がいるなら、自分が行けない時は代わりに見回りをお願いするのもおすすめです。

自分で見回る時間がなかったり、空き家周辺の近所に見回りをお願いできる人がいない場合等、お困りごとがあれば弊社の空き家アシストに問い合わせください。

「空き家」に関するお悩み・ご相談は、空き家アシストが豊富な経験を活かして解決いたします。

雨漏りの原因?

1.空き家をそのまま放置

空き家をそのまま放置していると知らぬうちに雨漏りが発生し修繕するのに多額の費用がかるトラブルがあります。

経年劣化により雨漏りが発生するため、空き家でなくても雨漏りが発生してしまうことはあるのですが、空き家ですと発見が遅くなり被害が拡大してしまい、復旧ができなくなるケースがあります。

2.雨漏りの原因

A屋根・外壁の劣化

一番イメージが付きやすい屋根や外壁にひび割れがあり、そこからお部屋の中まで染み込み雨漏りの原因になります。

B窓枠から

水の侵入を防ぐため継ぎ目にシーリングという材料を使用します。
このシーリング材が雨や紫外線が原因で劣化することにより雨水がお部屋の中に侵入し雨漏りが発生します。

Cベランダから

経年劣化と排水溝のつまりが原因で雨漏りすることがあります。
経年劣化ですと、手すりなどが腐食し雨水がベランダの壁を伝いお部屋の中が濡れます。
排水溝のつまりは、夏の終わりから秋のはじめに多く主に落ち葉などが排水口を塞ぎうまく排水されないことにより雨漏りが起きます。

3.雨漏りを放置すると…

雨漏りを放置すると二次災害が発生し取り返しのつかないことになります。
雨漏りを放置すると次のような二次災害が発生します。

A柱など家の劣化

戸建など木造物件ですと基礎や柱など建物主要部分が腐食により劣化してしまいます。
建物主要部分が腐食すると、家全体の耐久性が落ち倒壊する可能性が高くなります。

B害虫の発生

雨水が侵入するともちろんお部屋の中の湿度が上がり、湿気が多い所を好む虫が発生します。放置すると繁殖し大切なお家が虫だらけになってしまいます。

Cカビの発生

湿気はカビを発生させる原因となります。壁紙や床材などの交換が必要に多額の修繕費用が必要になることがあります。

D漏電被害

水は電気をよく通すため雨漏りにより家の中に入った水により流れてはいけないところに電流が流れてしまい、ショートし壁等に発火し火事の原因にもなります。


空き家管理を利用すれば定期的に訪問し異常がないか確認するので被害を最小限に抑えることができます。
被害を拡大させないためにも、空き家アシストをご利用ください。
雨漏りは特定が難しく原因調査が重要で、既に発生している場合もご相談ください。

不動産を相続したら? 売却の流れ

不動産相続ページのイメージ

親や家族に万が一のことがあり、不動産を相続することになったらどうすればよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。

相続した不動産を使う予定がなく、そのまま使用しないで放置していたら次のデメリットがあります。

不動産を放置するデメリット

  • 資産価値の低下
    人が住まなくなった建物は、住んでいる建物に比べて劣化が早いといわれています。
    室内の空気が動かなくなると梅雨時などは湿気がこもる確率が高くなり当然カビも繁殖します。木造住宅では特にカビや湿気に弱いので劣化の原因となるのです。
  • 毎年の固定資産税
    固定資産税とは不動産に対して支払う税金で、毎年1月1日時点での所有者に課税されます。毎年無駄な出費になります。
  • 維持管理が手間
    庭木や雑草が伸びた場合の手入れや冬の期間の除雪など遠方に住んでいる場合、頻繁に行くにも費用と時間がかかります。
    また、業者にお願いする場合には費用が掛かります。

2015年5月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」(通称:空き家等対策特別措置法)という法律が施工されています。
適切な管理が行われていない空き家などの防災・衛生・景観などの問題が、全国で注目されています。

どうしても空き家にしておかなきゃいけないご事情がある場合は
当社空き家サービスもご利用ください。

不動産を相続した場合、どのようにしたらよいのか?

では、不動産を相続した場合、どのようにしたらよいのでしょうか。
大きく分けて不動産を売却して現金化してしまうか、もしくは人に貸して家賃収入を得るのか。

人に貸す場合、上手く貸すことができれば家賃収入を得ることが出来ますが、給湯器が壊れたり、雨漏りがしたりと古い物件ですと費用ばかり掛かってしまうことがあります。結局、人に貸したが、コストばかりでマイナスになってしまうということも少なくありません。

相続した不動産に活用法がないという方は、まずは売却を検討しましょう。

相続の中でも財産価値が高いものが不動産ですので、取り扱いが難しいものです。
ここでは相続不動産の売却について詳しく解説していきたいと思います。

不動産売却の流れ

1.相続登記2.売却相談・査定依頼3.不動産会社の選定・媒介契約4.所有権移転登記5.売却代金を分配

1.相続登記

不動産を相続した場合、まずは不動産の相続人を決めます。
不動産を遺産を分割するには、4つの方法があります。

A.現物分割
不動産をそのまま相続人の一人が取得する方法です。
手続きが簡単でわかりやすいメリットがありますが特定の相続人だけが不動産を相続することになるため、相続人が納得しにくいデメリットがあります。

B.代償分割
不動産を1人が取得するが、他の相続人に対し相応の金額を支払う方法です。
公平に遺産分割できるメリットがありますが、相続人に相応の資金力がないと利用できません。

C.共有
不動産を相続人で共有する方法です。
公平に遺産分割できるメリットがありますが管理や処分の方法について揉めるケースがあります。

D.換価分割
不動産を売却し、売却代金を相続人で分割する方法です。
公平に分割出来、不動産維持管理が不要になります。
売却を前提に不動産を相続する場合は換価分割を選ぶことをおすすめしています。
平等に分配が出来て、スムーズに売却手続きが進められます。

遺産分割協議書

遺産分割協議書とは、相続人同士が遺産分割協議をして合意ができた結果をまとめた書面のことです。
不動産を分割する方法が決まれば、「遺産分割協議書」に相続人全員の署名捺印を行います。
のちのトラブルを防止するために証拠書面に残します。

相続登記の申請

遺産分割協議書の作成が終わりましたら、遺産分割協議書の内容をもとに不動産の登記を行います。
登記申請は自分で行うことも可能ですが、必要書類が多く、自分で手続きするのが難しいため司法書士に手続きを依頼することをおすすめします。費用は数万円です。

2.売却相談・査定依頼

ここからは一般的な売却の流れになります。

売却するためには、信頼できる不動産会社との出会いが大切です。
まずは、不動産会社の情報を幅広く収集しましょう。
いくらで売れそうかを知るため、不動産会社に査定を依頼します。
査定は周辺の類似物件の売買事例や立地条件や建物の状態など、さまざまな角度から調査し適正な価格を算出します。査定依頼は無料のケースが多いです。
また、不動産会社へ買取もしてもらうことが出来ます。
金額が安くなりますが、期間が短くなり時間がない方やすぐに現金化したい方はおすすめの方法です。

3.不動産会社の選定・媒介契約

査定金額から売却価格が決まりましたら、次は信頼できる不動産会社と媒介契約を締結します。

不動産会社とは、3種類の契約方法から選び契約します。

「一般媒介契約」
複数の不動産業者に重ねて仲介を依頼することができる契約です。業者は指定流通機構(REINS)への物件登録や業務処理状況の報告義務を負いません。また、ご売却条件の変更や売主様からのご連絡は、ご依頼された業者全てに行って頂く必要がございます。

「専任媒介契約」「専属専任契約」
他の不動産業者に重ねて依頼することができない契約です。
とはいっても、不動産業者の指定流通機構(REINS)への登録により情報が公開されるため、他の不動産仲介業者も、ご購入希望のお客様への物件紹介が可能となります。
基本的に、専属専任媒介契約・専任媒介契約を一度結ぶと3ヶ月間まで有効になります。
積極的に捜す努力とその業務処理状況をご報告する義務が発生します。

それぞれの契約方法にはメリットとデメリットがあるので物件の状況や売却期間なども考慮して契約しましょう。
不動産業者の変更をする際、契約内容しだいで違約金が発生する場合があるので契約内容の確認は大切です。

4.所有権移転登記

購入希望者を見つけることができれば、売主様・買主様双方の条件確認および調整の上売買契約を締結します。

物件の引渡しまでに売主様は遺品整理・測量・残置物撤去・建物解体等をします。
1か月くらいの期間でやらなければならないことがたくさんあります。
遺品の整理業者様もいるのでそちらの活用も検討してみてはいかがでしょうか。

最後に残代金の受領とともに所有権移転登記の手続きや各精算が終わればようやく物件の引渡しです。必要書類をご用意いただくタイミングやスケジュール調整等、不動産会社に確認し準備して臨みましょう。

5.売却代金を分配

換価分割の場合、売買代金を買主から受け取ったら作成した遺産分割協議書に基づき各相続人へ分配します。
高額のお金を預かることになりますので、領収書をまとめて明確にしておき、経費(仲介手数料・遺品整理・測量・解体費用など)がいくらかかったのか計算して、売却代金の分配をしてください。

親や家族が最後に残してくれた大きな資産が不動産です。
しかし、相続は実に複雑で問題になることもたくさんあります。
専門家に相談して適切に進めていくようにしましょう。

当社、不動産売却はもちろん遺産整理や相続不動産の名義変更など専門家と協力しながら相続不動産の問題を解決しています。是非、ご相談ください。

家を売る契約の流れ

住み慣れた我が家を売り出す理由は人それぞれ。
「家族が増えたからもっと広いところに。」
「子供が独立したので戸建からマンションに。」
「定年を機にUターン」
などなど色々ですが、どのような理由にしても家族の思い出が詰まった大切な家を手放すことに変わりはありません。
損の無い納得の売却でスッキリと次の生活に向かっていくために、家の売却のポイントをご紹介していきましょう。

売却の手順に入る前に、まずは売却する理由を整理しましょう。その上で住み替えの具体的なイメージをします。

  • 住み替えの時期はいつ頃か
  • 手元に資金はどのくらいあるか
  • ローンの残債はどのくらいあるか
  • 新居は購入か、賃貸か
  • 新居を購入する場合、売却が先か購入が先か、売却と購入並行か

売却する理由と住みかえの具体的なイメージが整理できたら、おおまかな売却の流れを確認していきましょう。

売却にかかる諸経費と税金

仲介手数料
ほとんどのケースで発生。 ⇒仲介手数料について
測量費用
一般的な整形地で高低差もなく、境界復元の必要もない場合、10万~20万円程度が相場
抵当権抹消費用
ローンの残債がある場合に必要。費用の目安は、抵当権1本につき1万5000円程度
ローン借入金融機関
ローンの残債がある場合に必要。ローン返済時事務手数料など
各種税金
契約所に貼る印紙税や、売却に伴う所得税や住民税など

価格相場を知る

不動産会社に相談する前に、まずは自分で相場を調べ、ある程度の価格イメージを持ちましょう。
価格イメージを持つことで、査定を依頼する不動産会社を選ぶための判断材料にもなります。
相場を調べる手段をいくつか挙げると・・・

  • 「インターネット広告」で近い条件の売り出し物件を見る
  • 国土交通省が公表している「地価公示」「不動産価格指数(住宅)」「土地総合情報システム」を参考にする
  • 各都道府県の「地価調査」を参考にする
  • 個別取引価格が提供されている「レインズ・マーケット・インフォメーション」を参考にする

物件による査定方法の違い

中古戸建住宅

「土地」と「建物」に分けて査定するのが一般的

  • 土地…査定地と同じような取引事例の土地を選び、周辺環境や物件の様々な条件を比べ価格を算出。(事例比較方式)
  • 建物…新築時の価格に対する現時点の価格について、築年数や使用している建材のグレード、リフォーム状況などから価格を算出。(原価方式)

中古マンション

  • 査定マンションと同じような取引事例のマンションを選び、周辺環境や物件の様々な条件を比べ価格を算出。(事例比較方式)

不動産会社に査定を依頼する

価格相場を調べたら、次に不動産会社に査定を依頼します。
より正確にいくらで売れるかを知るためにも、複数の会社に査定を依頼するとよいでしょう。
査定の判断材料は不動産会社によって多少違うので査定価格に若干のズレはありますが、極端な差がつくことはありません。
もし、1社だけ何百万円も高い査定を出してきた場合は注意が必要です。
査定依頼から不動産会社探しが始まっています。対応なども含め、しっかりと信頼できる会社か見極めましょう。

査定の種類

簡易査定(机上査定)

周辺の取引事例データから算出した簡易的な査定

査定依頼時に必要なもの
地図、登記記録(登記簿)など

ほとんどの場合、物件を特定できれば簡易査定可能。
(登記記録(登記簿)は、物件の正確な面積を把握するために提出を求められる場合があります)

訪問査定(詳細査定)

実際に現地にいき、物件の状態を細かく確認した上で算出される査定。

査定依頼時に必要なもの
地図、登記記録(登記簿)、購入時の重要事項説明書、建築関係書類など

どのような書類が必要か不動産会社にしっかりと確認しましょう!

ワンポイントアドバイス

不動産会社から査定価格を提示されたら、その根拠をしっかりと確認しましょう。 極端に高い査定をだしてきた会社は、正確なデータを持っていなかったり、 契約を取りたいがために無理をして結局買い手が付かなかったり、というケースもあります。
後の売却活動で後悔しないためにも、査定価格の裏づけをしっかりしましょう。

不動産会社を選び、媒介契約を結ぶ

不動産会社を選ぶ

査定結果と不動産会社の対応をふまえ、仲介を依頼する不動産会社を決定します。
不動産会社を選定するポイントとして、具体的にどんなサービス提供をしてくれるかもしっかりと確認しましょう。

一般的に不動産会社が行う仲介業務

  • 物件価格の査定と売り出し価格の決定(売り出し価格は売主と協議の上決定)
  • 販売活動
  • 購入希望者との条件交渉
  • 買主への物件説明(重要事項説明)
  • 売買契約の締結(売買契約書の作成と手続きをサポート)
  • 物件の引き渡し

また、次のような手段で不動産会社を選ぶ方法もあります。

物件の購入をした不動産会社に仲介を依頼する
すでに売却物件を熟知しているため、売却活動において大きな強みとなる。
買い替えの場合、売却と購入を同じ会社に依頼する
売却と購入、それぞれの取引の状況を把握したうえで、スケジュールや資金のバランスなどを調整してくれる、 など取引がスムーズに進められます。

媒介契約締結の前に不動産会社に確認すること

希望を明確に伝える

売却時期・売却希望価格・売却活動の方法など、希望条件を明確に伝えることが重要。
引越しが可能な時期、売却代金の資金計画、広告宣伝の可否など自分の事情をふまえたうえで希望条件を伝えます。 希望する条件では売却が困難な場合もあるので、不動産会社と協議の上、最終的な条件を決定するとよいでしょう

仲介業務の内容を確認する

販売活動の方法
広告宣伝(折り込みチラシやインターネット広告)の内容。
自社顧客への紹介の手順。他の不動産会社との連携の有無など
報告の内容と頻度
専任媒介契約の場合、不動産会社による仲介業務の実施状況報告が法律で義務付けられています。 具体的にどのような報告がどのくらいの頻度で受けられるかを確認しておきましょう。
その他のサービス内容
物件調査、契約の手続きなどに関して、どのようなサービスを受けられるかをできるだけ詳細に確認。 依頼者自身が行うべきことを確認しておきます。

依頼者が行うことの一例

物件情報の提供
購入時の重要事項説明書、建築時の建築図書、リフォームの記録、 その他雨漏りの有無など物件に関して知っている事実
契約手続きに必要な公的書類の準備
土地の実測図等の作成
買主に求められた場合作成することがある。実際の作成は専門家が行なうが、 費用は売主負担となることが多い
売買完了後に自らの責任により発生したトラブルへの対応
仲介した不動産会社が対応できるトラブルもあるが、本人自らが対応しなければならないこともある。

仲介手数料の確認

仲介業務の内容を明らかにした上で仲介手数料を確認します。
法規制などもあるので注意点をしっかり抑えておきましょう。

仲介手数料の上限

宅地建物取引業法で、不動産会社が受け取ることのできる仲介手数料の上限が定められています。

売買価格200万円以下
取引価格×5%
売買価格200万円超400万円以下
取引価格×4%+2万円
売買価格400万円超
取引価格×3%+6万円

法令で定められているのはあくまでも上限額ですので、当然に上限額を請求できるということではありません。

仲介手数料は成功報酬

不動産取引の仲介では、仲介手数料の請求権は売買契約が成立したときに発生します。
したがって、原則として売買契約が成立するまで仲介手数料を支払う必要はありません。

手数料の支払条件も協議する

売買契約の成立で不動産会社に仲介手数料の請求権が発生するので、 契約成立時に仲介手数料を全額支払っても違法ではありません。 ただし、契約締結時点で引き渡しまで完了していないことが多いことから、 一般的には契約締結時に仲介手数料の半分を支払い、 引き渡し完了時に残りの半分を支払うことが望ましいとされています。

仲介手数料以外の費用等の取り扱い

通常の仲介業務で不動産会社に発生する費用を、依頼者に請求することはできません。
一般的に行われる広告費用や購入希望者の現地案内に関わる費用は、仲介手数料に含まれます。
例外的に、依頼者の希望で実施した、通常の販売活動では行わない広告宣伝の費用や、 依頼者の希望で行った遠隔地の購入希望者との交渉のための出張費用など、 依頼者の特別な依頼に基づき発生した費用は「実費」で請求することが認められています。
この場合

  • 依頼者の依頼に基づいて発生したものであること
  • 通常の仲介業務では発生しない費用であること
  • 実費であること

の全てが満たされていることが絶対条件となります。

媒介契約を結ぶ

依頼する不動産会社を決めたら媒介契約を結びます。
媒介契約は売主が不動産会社に依頼する業務の内容や仲介手数料などを契約で明確にし、 トラブルを未然に防ぐためのもので、仲介の依頼を受けた不動産会社には媒介契約の締結が法律で 義務付けられています。
媒介契約には3種類あります。

専属専任媒介契約

仲介を1社の不動産会社にのみ依頼する契約。
自分の見つけてきた相手(親戚や知人など)も、依頼した不動産会社を通して取引する事が契約で義務付けられています。
売主と契約を結んだ不動産会社は、契約締結後5日以内にレインズ(※)に登録。
売主に対し、1週間に1回以上、販売状況報告の義務があります。

専任媒介契約

専属専任媒介契約と同じく仲介を1社のみに依頼する契約ですが、 自分の見つけてきた相手(親戚や知人など)と、不動産会社を通さなくても契約ができます。
売主と契約を結んだ不動産会社は、契約締結後7日以内にレインズ(※)に登録。
売主に対し、2週間に1回以上販売状況報告の義務があります。

一般媒介契約

複数の不動産会社に同時に仲介を依頼することができる契約で、 自分で見つけてきた相手(親戚や知人など)とも、不動産会社を通すことなく契約ができます。 ただし、最終的にはどの不動産会社を通して取引を進めるかを決める必要があります。
また、「明示型」と「非明示型」があり、明示型は仲介を依頼した各不動産会社に、 他のどの不動産会社へ仲介を依頼しているか通知する必要があります。
一方、非明示型は、他の不動産会社に重ねて仲介を依頼しているのか、どこに依頼しているのかを通知する必要はありません。
レインズ(※)への登録は任意で、売主に対し販売状況報告の義務はありません。

 
  • 専属専任媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 一般媒介契約
他社に重ねて仲介依頼
  • ×
  • ×

  • (明示型の場合は通知義務あり)
自ら見つけた相手と直接契約
  • ×
  • ×
契約の有効期限
  • 3ヶ月以内
  • 3ヶ月以内
  • 法令上の制限なし
    (ただし行政指導は3ヶ月以内)
レインズへの登録
  • 媒介契約締結から5日以内
  • 媒介契約締結から7日以内
  • 登録の義務なし
    (任意での登録は可能)
販売状況の報告義務
  • 1週間に1回以上
  • 2週間に1回以上
  • 報告の義務なし
    (任意で報告を求めることは可能)
メリット
  • 依頼を受けた会社はほぼ確実に成功報酬を得られるため、 広告費などコストをかけた積極的な販売活動を行ってもらえる傾向が高い。
  • 窓口が1社なので情報整理が容易
  • 1社だけの依頼のため、販売活動を積極的に行ってもらえる可能性が高い。
  • 窓口が1社なので情報整理が容易
  • 自ら見つけてきた購入希望者と売買契約を結ぶことができる。
  • 複数の不動産会社に依頼できるので、広く販売活動を行うことができる。
  • レインズ登録義務がないため、近所の人に知られることなく販売活動を行うことができる。
  • 自ら見つけてきた購入希望者と売買契約を結ぶことができる。
デメリット
  • 売主が自ら購入希望者を見つけてきても、直接売買契約を結ぶことはできない。
  • 窓口が1社なので、依頼した不動産会社への依存度が高い。 したがって不動産会社を慎重に選ぶ必要がある。
  • 専属専任媒介契約と比べると状況報告の頻度など義務が緩いため、 頻繁にフィードバックが得られない可能性がある。
  • 窓口が1社なので、依頼した不動産会社への依存度が高い。 したがって不動産会社を慎重に選ぶ必要がある。
  • 不動産会社に販売状況の報告義務がないため、フィードバックに不安がある。
  • 複数社で販売活動を行うため、不動産会社は成功報酬を得られる可能性が低い。 そのためコストをかけづらく販売活動が消極的になりがち。
レインズ
国土交通大臣の指定を受けた「指定流通機構」である公益法人によって運営されている、 不動産物件情報交換のためのコンピューターネットワークシステム。
売却された不動産は売却物件情報として登録。
その物件情報は数多くの不動産会社に公開され、取引の拡大を図ることができる

不動産を売り出す

媒介契約を結んだら、いよいよ家を売り出します。
まずは売り出し価格を決めましょう。
売り出し価格を決定するのはあくまで売主です。 自分の希望価格と不動産会社の査定価格をふまえ決めていきます。
売却代金の一部を買い換えやローン返済に充てる必要があるならその点も考慮しなければいけません。
また、短期間で売却したければ売り出し価格を低めに、 時間がかかっても高く売却したければ売り出し価格を高めに設定するという方法や、 最初に設定した価格で買い手がつかなければ、状況に応じて価格を下げていくという方法もあります。
ただし、査定結果より極端に高い金額で売り出すのは信頼性を損ないかねないので得策ではありません。
あくまで相場と自分の状況を加味して売り出し価格を決めることが大切です。

買取保証について

一定期間内に物件を売却できなかった場合、仲介を依頼した不動産会社はあらかじめ決めた価格で その物件を買い取る「買取保証」というシステムがあります。
買取保証価格は、買い取り後の転売で失敗しないためにより確実に売却できる価格で査定するため、 相場と比べてかなり安くなります。
また、買取保証は必ず利用できるものではありません。
不動産会社あるいは物件によって対応は異なりますので注意しましょう。

ホームインスペクション(住宅診断・建物検査)

売主・買主・仲介業者ではない、第三者となる住宅診断士(ホームインスペクター)が専門家の見地から、 住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用など見極めアドバイスを行う専門業務です。
調査費用は業者によって異なりますが、目視による基本調査の場合5~6万円が一般的。
基本調査の内容は、主に床・壁・天井・建具・床下・屋根裏・外壁・基礎・屋根などで、調査時間はおよそ2~3時間。
住宅診断によって、修理の必要性や修繕に用の目安などもわかるため、売主は検査結果を基に修繕するか、現状のまま引き渡すか決めることができます。
修繕すれば売却に有利となる可能性があり、修繕しなくても買主に 「どの部分をどの程度修繕するか」を説明できるため、安心感を与えます。

住宅診断のメリット

  • 買主に対し住宅のコンディションを明らかにできるため、売却時のセールスポイントになる
  • 売却前に瑕疵(かし)・不具合がわかるため、売却後の瑕疵によるトラブルを防ぐことができる

住宅診断のデメリット

  • 費用がかかる
  • 瑕疵・不具合の状況により、売却前に対応が必要な場合がある

2018年4月1日から、不動産仲介業者は中古住宅の売買契約を結ぶ際、 その契約確認事項に、住宅診断を行うか否かの項目を掲載することが義務付けられます。

内覧対応

販売活動を開始すると、購入希望者が物件の内覧に訪れます。
少しでも高く購入してもらうには、見学者の印象を良くすることが大切。
一番重要なのが「掃除」。以下で掃除のポイントをおさえておきましょう。

掃除のポイント

玄関
靴は全て靴箱へ。臭いがしないかも確認。
室内
不要なものは片付けるか捨てる。部屋の広さがわかるように見せるのがコツ。
浴室・トイレ
カビや水あかは除去。臭いがしないかも確認。
キッチン
最低限油汚れは落とす。特にキッチンの汚れは印象を悪くする可能性がある。
バルコニー
不要なものは片付け、洗濯物は取り込んでおく。
収納
見られてもいいように整理整頓しておく。
外周
庭や敷地内の雑草を抜くなどお手入れしておく。
臭い
特にペットを飼っている場合やタバコを吸う習慣がある場合、 住人では臭いに気がつきにくい場合がある。
消臭剤でケアするのはもちろん、内覧中は散歩に連れ出すなど、ペットは外出させておくほうが無難。
浴室やトイレの換気も忘れずに。

見学時間は15分~30分が一般的。
短時間で住まいの良さを伝えるためにもセールスポイントや使い勝手の良さをあらかじめまとめておきましょう。

ワンポイントアドバイス

見学者は土日祝日の日中に来ることが多いと考えられます。 大事な買主を逃さないためにも、販売活動を開始したら土日祝日はなるべく家にいるようにしましょう。

購入希望者と交渉する

購入希望者から購入申込みが入ったら契約に向けての交渉を始めます。

不動産会社を通して購入希望者から「買付証明書」(「購入申込書」「買付申込書」など別称あり)が届く

買付証明書に記載されている、購入希望価格・代金の支払い条件・引き渡し希望日など 購入希望者の基本的な希望条件を確認し、具体的な交渉に入るか決める

不動産会社が、売主・買主の希望条件を確認したうえで、条件を調整する。

以上が大まかな流れとなります。

調整する条件の一例

  • 売買価格
  • 手付金の額
  • 引渡しの時期
  • 瑕疵担保責任の期限
  • 土地の実測を行うか否か
  • 土地の実測を行う場合は、実際の面積に応じた売買代金の清算を行うか否か
  • 建物の補修を行うか否か
  • 古家がある場合は撤去するか否か
  • 固定資産税や都市計画税などの清算方法や金額

条件交渉では、購入希望者の条件を全て受け入れるのではなく、不動産会社の助言を受け、 自分が納得のいく条件かどうかを慎重に判断しましょう。

ワンポイントアドバイス

価格条件は「建物や設備に不具合がある場合、補修を行わない代わりに価格を下げる」など、 他の条件と一体で調整することも可能です。

物件情報の開示

契約条件の調整が済んだら、不動産会社が買主に対して物件や契約条件などに関する重要事項を説明します。

重要事項説明とは?

宅地建物取引業法で「売買契約を締結するまでの間に、不動産会社は購入予定者に対して 購入物件にかかわる重要事項の説明をしなければならない。」と定めています。
重要事項説明は、宅地建物取引士が内容を記載した書面に記名押印その書面を交付し口頭で行ないます。

不動産会社は、重要事項説明を行うために物件調査を行いますが、全ての事項を調査することはできません。 そのため売主は、不動産会社に物件の関連書類を漏れなく提供するとともに物件に関して知っている情報を 正確に提供する必要があります。

売主が不動産会社に提供する情報の例

  • 購入時の重要事項説明書
  • 建築時の設計図書
  • リフォーム時の書類
  • マンションの場合、管理規約や使用細則など
  • 告知書(※)
  • 把握している物件の欠陥(雨漏りやシロアリなど)
  • その他売主が気になる情報(近隣とのトラブルや騒音の有無など)

告知書

所有する物件の付帯設備や物件の状況について説明する書面。
国土交通省は「売主にしかわからない事項について、売主の協力が得られる時は告知書を提出してもらい、 これを買主に渡すことで将来のトラブル防止に役立てることが望ましい」
としています。

重要事項説明の内容はしっかり確認しましょう!!!

重要事項説明は買主に対して行うものですが、 後々のトラブルを防止するために売主もその内容を確認しておくことが重要です。
万が一、売主が不動産会社に正しい情報を伝えなかったことによりトラブルが発生した場合、 損害賠償を請求される可能性もあります。

  • 提供すべき情報に漏れがないか
  • 提供した情報が重要事項説明書に正しく記載されているか

を、しっかり確認し、内容に問題がある場合はすぐに修正してもらいましょう。

売買契約を結ぶ

契約条件で買主と合意ができたら、ついに契約です。
いったん契約を結ぶと簡単には解除できません。
事前の契約内容をしっかりと確認しましょう。
売買契約は、売主・買主・不動産会社が一同に介し売買契約書を読み上げて最終確認をします。
そのうえで、契約書に署名・押印し、手付金の授受を行います。
このときに仲介手数料を支払う場合もあります。

契約時に必要なもの

  • 権利証
  • 手付金等の領収書
  • 印紙…売買契約書に貼付。代金が1,000万円超5,000万円以下の場合、印紙代は1万円
  • 印鑑…実印を求められることが多い
  • 仲介手数料…必ず領収書を受け取る
  • 設備表
  • 物件状況報告書
  • 印鑑登録証明書
  • など

手付金について

契約の際、買主から売主へ手付金を支払うことが一般的です。
手付金には

  • 証約手付
  • 解約手付
  • 違約手付

の3種類があり、一般的に不動産売買契約では(2)の解約手付として授受されます。
(民法でも特定の定めがない場合は解約手付と推定するとされている)

手付の種類
手付の性質
証約手付
契約の締結を証する目的で授受
解約手付
手付の放棄または倍額を返すことで契約の解除が可能
違約手付
契約違反の場合は没収される

引き渡し準備

売買契約を結んだら、期日までに引き渡しをします。
引き渡しまでには様々な準備をしなければなりません。

所有権移転登記の準備

一般的に登記申請は司法書士に委任。
登記記録の内容と事実が異なる場合や、登記識別情報または権利証を紛失してしまった場合などは、 特別な手続きが必要になり時間が掛かることもあります。極力早く準備しましょう。

抵当権抹消の準備

抵当権が設定されている場合、ローンを借りている金融機関に残債額の確認をして ローンの全額返済と抵当権抹消のための準備を進めます。 特に抵当権抹消に掛かるスケジュールと引渡しのスケジュールをしっかりと調整しましょう。

土地の実測や境界確認

一般的に土地家屋調査士に依頼。
境界の確認は、隣地所有者も立ち会ったうえで行うのでしっかりとした対応が必要です。

現地確認

原則として引き渡しまでに、売主・買主・不動産会社が立ち会って現地の確認をします。 特に隣地との境界にまつわるトラブルが多いので、しっかりと引継ぎをしましょう。

引越し

買主に物件を確実に引き渡せるように準備。
ガス・水道・電気の料金の精算、固定資産税・都市計画税、管理費(マンションの場合)などの清算もお忘れなく。

売主が事前に準備するもの

  • 登記関係書類等
  • 実印
  • 登記費用
  • 残代金や各種精算金の領収書
  • 建築関係書類、物件の鍵等、買主へ引き継ぐべきもの一式
  • 仲介手数料

※実測図や境界確認書が必要な場合もあります。
その他必要なものはしっかりと不動産会社に確認しましょう。

不動産を引き渡す

一般的に売主による所有権の移転と物件の引き渡し、買主による残代金の支払は同時に行われます。

引き渡し時の流れ

買主から残代金を受け取る。
住宅ローンを利用する場合はローン実行

買主へ残代金の領収書と、所有権移転登記に必要な書類一式を引き渡し。
(一般的には司法書士が所有権移転登記を申請し、司法書士に登記費用を支払う)
※抵当権が設定されている場合は、抵当権抹消の登記も同時に申請。

固定資産税・都市計画税や管理費の精算金を買主から受け取り領収書を渡す
※一般的に固定資産税・都市計画税、管理費など引渡しの前日まで売主負担、 引渡日以降を買主の負担として日割り計算します。

その他、実測図や建築関係書類、物件の鍵、付帯設備の保証書、取扱説明書などを買主へ引き渡す。
その際、引き渡し確認書を受け取ることも。

不動産会社に仲介手数料を支払い領収書を受け取る

売却完了!!

確定申告を忘れずに!!

不動産の売却によって得た利益については、所得税と住民税が課税されます。
ただし、マイホームのような居住用財産の場合、「居住用財産の3,000万円特別控除」や「買い換えの特例」 「マイホームを売却した場合の軽減税率の特例」などがあります。
それぞれの特例には適用条件があるので、早めに税務署や税理士に相談しましょう。
確定申告をしなければ適用されない特例を受けたい場合や、不動産売却によって納税しなければならない場合、 売却した翌年の2月16日~3月15日までに確定申告を忘れずに行いましょう。
確定申告には、不動産売買契約書や売却に掛かった費用の領収書が必要となるので、
大切に保管しましょう。

内見のチェックポイント

お目当ての物件が見つかったら、実際に見に行きましょう。
その際、何を持っていって、どんなところを気をつけてみればいいか確認しましょう。

内見に持っていくもの

  • 筆記用具
  • メジャー
  • 方位磁針(スマートフォンで代用可)
  • カメラ(スマートフォンで代用可)
  • 間取り図
  • 懐中電灯
  • ビー玉

内見のチェックポイント

室内

日当たり 日中しっかりと日が入るか
部屋の広さ 間取り図と違いがないか。
家具を置いたときに部屋のサイズが適切か。
におい・騒音・振動 窓を閉めた時の外からの音や振動、隣・上下の部屋の音は気にならないか。
下水や水まわりのにおいや、前居住者によるタバコなどのにおいが気にならないか。
窓からの眺め 目の前に日光を遮るものはないか。
外から室内が見えないか。
収納の数・広さ 手持ちの荷物が入るか。カビなどの汚れはないか。
内装の汚れ・傷 壁・床・天井・ドア・窓に汚れや傷はないか。
建具の動作 スムーズに動くか。傷や汚れはないか。
水まわりの設備 キッチンのシンク・シンク下・浴室・トイレにカビはないか。
風呂の機能。給湯器はガスか灯油か。
可能であれば水圧チェック。
玄関まわり 鍵の種類。ドアチェーンの有無。靴箱の有無。
玄関から室内が丸見えにならないか。
冷蔵庫・洗濯機置き場 設置場所は適切か。手持ちのものが入るか。
洗濯機の場合、排水口はあるか。
コンセントの位置・数 手持ちの家具・家電と数があっているか。
希望の場所にコンセントがあるか。
TVのアンテナ線、電話線もチェック。
照明・エアコン・コンロ・インターホンなど設備の有無 壊れていないか。付属の設備なのかも確認。
前居住者が置いていったものだと、故障時の修理費用が自己負担となることも。
コンロはガスかIHかもチェック。
携帯電話の電波状況 どの部屋でも電波がしっかり入るか。
ベランダの有無 洗濯物を外に干せるか。干すスペースが十分にあるか
周囲から覗かれる心配はないか。
侵入の足場となるような所は近くにないか。
両隣のベランダにゴミ袋が散乱していないか。

敷地内

ごみステーション ごみステーションまでの動線。清掃状況。
収集日以外にごみを出している人はいないか。(出されているとルールを守らない住民がいる)
共用部分の管理状況 清掃状況。防犯カメラの有無。
エレベーター エレベーターがあるか。庫内に防犯カメラはあるか。
郵便受け・宅配BOX 鍵が掛かるか。宅配BOXはあるか。
駐車場・駐輪場 場所・空き状況・料金の確認。
オートロック オートロックがあるかどうか。
建物前の道路の広さ 引越しの見積時に聞かれる場合あり。

周辺

最寄り駅からの距離 不動産広告の所要時間は「80m=1分」で計算。
信号などは考慮されていないため、実際の時間とは異なる。
夜の暗さと人通り 街灯はあるか。人通りの多さ。
周辺施設 スーパー・コンビニ・病院・銀行などが近くにあるか。
交通の便 バスの場合、バス停の場所と時刻表、
ラッシュ時の交通量もチェック。
騒音・におい 交通量が多い・線路が近くにある・パチンコ店やコンビニが近くにある、などは騒音の原因になる。
また、飲食店が近くにあるとにおいや騒音の原因になる。

家を買う契約の流れ

憧れのマイホーム。
夢は広がるばかりですが、いざ買うとなると何から始めればいいの?
人生の中でも一番大きな買い物です。 失敗のない住宅購入をするためのポイントをご紹介しましょう!
まずは、住宅購入の大まかな段取りを見ていきましょう。

1希望条件を整理する

一口に家を買う、といっても家の種類は様々です。 どんな住宅を購入するのかによって、かかる費用も変わってきます。

自分の希望を再確認しましょう

マンションと一戸建て比較

 
  • 一戸建て
  • マンション
セキュリティ
  • 個人で対策が必要
  • 物件により、オートロック・防犯カメラ・警備会社による24時間監視など
管理
  • 掃除やメンテナンスは全て自主管理
  • 共用部分の掃除やメンテナンスは管理会社が行う場合が多い。
  • 管理費や修繕積立金がかかる。
増改築
  • 自由度が高い
  • 増築はできない
  • 室内の改装も玄関や窓、水まわりの位置など制限がある。
騒音
  • 隣近所に生活音は伝わりにくいが家の中の音は伝わりやすい。
  • 他の部屋と壁や床で接しているため、生活音は伝わりやすい。
ペット
  • 自由
  • ペット不可の物件もある
資産価値
  • 建物の価値は築22年でほぼゼロになるが、土地は一定の資産価値を保ち続ける。
  • 築年数が経って、建物の価値がほぼゼロになると資産価値もほぼゼロになる。

新築と中古比較

 
  • 新築
  • 中古
購入価格
  • 高い
  • 安い
物件選び
  • 竣工前の物件はモデルハウス(モデルルーム)や図面を見て選ぶ
  • 実際に物件を見て選ぶことができる
  • 周辺環境も把握しやすい
設備
  • 当面交換の必要なし
  • 交換の必要がある場合も
耐震性
  • 最新の耐震基準で設計
  • 1981年6月以降に建築確認を受けた物件であれば耐震基準をクリアしている。
消費税
  • 建物価格に消費税がかかる。
  • 売主が個人の場合は課税対象外。
  • 仲介手数料のみに消費税がかかる。

以上を踏まえ、自分のライフスタイルと照らし合わせてどのような物件をどのあたりの地域で購入するのか希望を整理しましょう。

2予算を決める

家を買うには物件の購入費用以外にも様々な費用が発生します。
ここでは、住宅購入に必要な費用を知りましょう。

物件購入費用

  • 申込証拠金
  • 手付金
  • 残代金

不動産取得に掛かるお金

  • 印紙税
  • 仲介手数料
  • 不動産取得税
  • 固定資産税・都市計画税
  • 登録免許税
  • 司法書士費用

ローン契約に関わるお金

  • 印紙税
  • ローン借り入れ費用(融資手数料、事務取り扱い手数料、保証料、火災・地震保険料、団体信用生命保険料)

その他費用

  • 修繕積立金(マンションの場合)
  • 水道負担金(一戸建てで新たに水道を利用する際に必要になる場合もある)
  • 引越し費用
  • 家具・家電購入費用

必要な諸経費の目安

新築マンション⇒物件価格の3%~5%
一戸建て・中古マンション⇒物件価格の6%~13%

3住まいを探す

いきなり不動産会社に飛び込んで物件を探すという手もありますが、まずはインターネットや雑誌で、 希望の地域や条件の物件を探してみて相場を知ることが大切です。
ここでは不動産広告のチェックポイントと注意点を確認していきましょう。

不動産広告例

基本情報

  • 物件タイプ・・・新築または中古、一戸建てまたはマンションをチェック。 不動産広告では建築後1年未満で誰も住んだことのない物件のみ「新築」と表示します。
  • 最寄り駅・・・複数の駅が利用可能な物件の場合、その中でもっとも有名な駅や急行が停車する駅を表示する場合があります。
  • 間取り・・・その部屋の部屋タイプや数を表します。
  • 価格・・・一戸建てやマンションの価格には土地と建物の価格が含まれています。 新築物件は、建物価格のみに消費税が掛かります。

物件概要

  • 物件所在地・・・新築の場合、所在地は登記上の表記である地番が用いられることも。 地番は一般的な住居表示と異なる場合があります。
  • 交通・・・徒歩1分=80mで計算。 信号や坂道などは考慮されていないため表記の時間よりかかる場合もあります。
  • 土地面積・・・登記簿に登記された「登記簿面積」と、実際に測定した「実測面積」の2種類があります。 登記簿面積と実測面積が一致しないことがあるので、どちらが記載されているか確認が必要です。 土地の一部に私道の負担がある場合はその旨も記載されます。
  • 建物面積・・・壁の厚みの中心線から測った「壁芯面積」と、壁を含まない床面積だけの「内法面積」の2種類があります。 不動産広告に表示されているものは壁芯面積ですが、登記簿には内法面積が登記されます。
  • 構造・規模・・・建物の構造(木造・RC(鉄筋コンクリート)・SRC(鉄骨鉄筋コンクリート))や、何階建てであるかが表示されます。
  • 土地権利・・・「所有権」「普通借地権」「定期借地権」の3種類があります。 所有権のある土地なら買い手が土地を所有することができますが、借地権の場合は土地の所有者に賃料を支払って、土地を借りる権利を得ます。
  • 地目・・・土地の用途をあらわすもので、売買対象となる土地の地目の多くは「宅地」です。 地目が「田」「畑」などの場合、土地権利の移転や住宅建築などに制限があります。
  • 都市計画・・・都道府県が定めた都市計画の区域のこと。 都市部で住宅建築が可能な区域は「市街化区域」ですが、市区町村によっては市街化区域ではない「市街化調整区域」でも、 一定の条件を満たせば建築が可能になることもあります。
  • 用途地域・・・12の地域指定があります。 用途地域によって建築できる建物の種類や規模、建ぺい率、容積率が異なります。
  • 建ぺい率・・・土地の面積に対する建築面積の割合。 ※中古物件の場合、建築当時は適法であったとしても、建築後の都市計画の変更などで、購入時点では法令の規定に適合していないことがあります。 このような物件は違反建築物とはなりませんが、同じ建物を再建築することはできないため、建て替える場合既存住宅よりも建築面積が小さくなる場合があります。
  • 容積率・・・土地の面積に対する建物の延べ床面積の割合のこと。
  • 築年月・・・建物が完成した年月。
  • 駐車場・・・駐車スペースの有無や駐車できる台数。
  • 引渡日・・・引渡可能な年月が記載されます。 すぐに入居できる場合は「即入居可」。
  • 接道状況・・・その土地が接している道路の方角と幅が表示されます。 建築基準法により、住宅用の土地は幅4m以上の道路が間口2m以上接していなければ建物を建築できないなど、接道状況によって建築に制限があります。
  • 建築確認番号・・・建築基準法にもとづく建築確認の基準をクリアした物件に発行される番号。 建築確認は建物の着工前に行われるため、建売住宅や新築マンションには必ず建築確認番号があります。
  • 設備・・・ガスや上下水道などの設備の種類を表記。
  • 備考・・・上記以外にアピールしたいポイントや注意点も表記。

ビジュアルスペース

物件写真や完成予想図、間取り図、周辺地図などを掲載しているか確認します。 物件写真は原則として実際に売り出されるものを掲載しなければなりませんが、未完成の場合のみ、 建物が同じ別の物件や完成予想図を掲載することができます。

キャッチコピー

物件の最大のアピールポイントが記載されているか確認します。

広告主の情報

不動産会社名と免許番号が記載されているか確認します。 不動産の売買や仲介を行うためには、宅地建物取引業の免許が必要です。 複数の都道府県に事務所(本支店等)を構える会社は国土交通大臣の免許、 1つの都道府県にのみ事務所(本支店等)を構える会社は都道府県知事の免許で営業しています。 ( )内の数字は免許の更新回数で、数字が多い程営業年数が長いことを示します。

取引形態

「売主」「代理」「媒介(仲介)」の3種類があります。 売主または代理の場合は、広告主である不動産会社と買い手が直接契約できますが、媒介(仲介)の場合は仲介手数料が発生します。

こんな広告に注意!

不動産広告で、曖昧な言葉や、他の物件や他社より優れていると誤解を与えるような言葉を使うことは禁止されています。 具体的に、次のような言葉がある広告や、その広告主である不動産会社には要注意です。

  • 完璧
  • 絶対
  • 日本一
  • 抜群
  • 当社だけ
  • 特選
  • 厳選
  • 最高
  • 最高級
  • 格安
  • 掘り出し
  • 希少
  • 広い
  • 明るい

※ただし、明確な根拠があれば使用できる場合もあります